保健学科
DEPARTMENT
OF
RADIOLOGICAL
TECHNOLOGY
放射線技術科学専攻
MESSAGE
専攻長からのメッセージ
放射線技術科学専攻長
生口 俊浩
現代の医療において、一般撮影、X線CT、MRI、超音波、核医学等の画像診断は不可欠となり、がん治療においても放射線治療は外科治療、化学療法とともに重要な位置をしめています。最近では体にやさしい画像ガイド下治療としてInterventional Radiologyという領域もめまぐるしい進歩を遂げています。これらの最新機器を扱い画像処理や放射線管理を行っているのが診療放射線技師です。診療技術や機器の進歩とともにその重要性はさらに高まっています。社会の卒業生に対するニーズも大きく、卒業生は多くの病院や企業に勤務、あるいは社会人入学も含めて大学院に進学して日々研鑽を積んでいます。放射線技術科学専攻では、チーム医療のリーダーとして活躍できる研究心と向上心をもった診療放射線技師の育成を目指しています。
OVERVIEW
専攻の概要
診療放射線技師とは
診療放射線技師は、エックス線、放射性同位元素、磁気共鳴、超音波等を用いた診断装置を駆使して診断に必要な医療画像を提供し、また、リニアック等の放射線発生装置を用いて、がんの治療を行う最先端の医療を支えています。
先進的医療に対応できる診療放射線技師の養成
1895年にX線が発見されて以来、放射線は医療において不可欠なものとなっています。X線CTやMRIは通常の診療に多用され、陽電子断層撮影装置(PET)はがんの診断能力を向上させ、強度変調放射線治療(IMRT)や粒子線治療はがん治療の成績を飛躍させています。診療放射線技師が従事する医療分野の発展は目ざましく、放射線技術科学専攻では先進的医療に対応できる教育を行っています。
放射線技術科学専攻の教育環境
1年次ではチーム医療演習を通じて医療人としての基本を学びます。2年次では医学・理学・工学の基礎的科目に加えて臨床的科目を学習し専門性を高めていきます。2009年2月にデジタルX線撮影装置、2012年2月にポジショニングドール、2013年3月に3次元放射線治療計画装置が導入され、撮影技術の向上や放射線治療の学習に活用されています。3年次からは岡山大学病院等での臨床実習も始まり、技術・医療接遇や社会人としての教育が行われます。4年次では卒業研究に取り組み、論文の作成や発表を行います。そして2月には診療放射線技師国家試験を受験し、卒業と共に診療放射線技師としての一歩を踏み出します。
卒業生の活躍の場は多方面
卒業生は各地の主要な医療機関や医療関連企業などに就職しています。また、研究に興味を持った学生は、さらに岡山大学等の大学院へ進学します。放射線技術科学専攻では、有能で誠実な医療技術者や研究者の育成を行っており、医師等と共同して医療を行いたいと希望する学生や、産業または研究において活躍したいと意欲をもっている学生を求めています。
PHILOSOPHY
専攻の理念
現代の医療において医用情報を処理する医療従事者は高度な知識と取り扱い及び管理技術が必要です。特に診療放射線技術は日々研究・開発が進んでいる最先端の医用放射線機器を駆使することによる病気の診断や治療に不可欠な領域です。
本専攻は、
・医学・理学・工学の基礎学問の修得
・最新の放射線機器の操作を含む幅広い実践的技術と応用力の獲得
・人間性豊かな医療人としてのモラルの向上
を教育理念として、有能で誠実な診療放射線技師や研究者の育成を目指しています。
LICENSE
取得できる資格
学士(保健学) | 卒業により得られる学位です。 |
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診療放射線技師 | 卒業により得られる国家試験受験資格です。 |
第1種放射線取扱主任者 | 在学中に試験を受けて取得可能な国家資格です。 |
第2種放射線取扱主任者 | 在学中に試験を受けて取得可能な国家資格です。 |
エックス線作業主任者 | 卒業後に診療放射線技師免許があれば取得可能な国家資格です。 |
ガンマ線透過写真撮影作業主任者 | 卒業後に診療放射線技師免許があれば取得可能な国家資格です。 |
国家試験合格率(令和5年度)
診療放射線技師国家試験 87.2%
FUTURE
卒業後の進路
進学・就職状況令和5年度実績
主な進学先令和3〜令和5年度
岡山大学大学院保健学研究科
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科
主な就職先令和3〜令和5年度
【岡山県】 岡山大学病院 岡山医療センター 岡山ろうさい病院 岡山市立市民病院 岡山赤十字病院 岡山済生会総合病院 岡山中央病院 岡山旭東病院 川崎医科大学附属病院 倉敷中央病院 倉敷成人病センター 水島中央病院 水島第一病院 水島協同病院 津山中央病院 他 |
【中国・四国】 国立病院機構中国四国グループ 広島県立病院 広島市立病院機構 中国中央病院 大田記念病院 JA尾道総合病院 鳥取大学医学部附属病院 島根大学医学部附属病院 松江市立病院 益田赤十字病院 周東総合病院 愛媛県職 松山市民病院 済生会松山病院 済生会今治病院 住友別子病院 他 |
MESSAGE
学生からのメッセージ
診断・治療方針に役立つ、わかりやすい画像を提供できる技師を目指しています
放射線技術科学専攻 3年次生
―放射線技術科学専攻を選んだ理由
診療放射線技師は、X線検査やCTといった放射線を用いる撮影装置や、MRI、超音波装置などを用いて画像を撮影するのが主な業務です。患者さんの病気を直接治療する機会はあまりありませんが、病気の診断や治療方針の決定のためには技師が撮影する画像が必要です。病気を治す最初の一歩につながる技師の仕事に憧れ、放射線技術科学専攻を選びました。
―興味を持った授業科目
さまざまな撮影方法について詳しく学ぶことができる撮影技術学の講義や、実際にファントムを用いてX線撮影装置を使った実験を行う基礎医用画像情報学実験など、臨床現場で使える技術を身につけることができる科目に興味を持ちました。その他にも、放射線防御について学ぶ安全管理学や、撮影装置の取り扱いや仕組みについて学ぶ機器工学など、診療放射線技師になるために必要な知識を身につけることができる科目が数多くカリキュラムされています。
―これからの目標
患者さんとのコミュニケーションを大切にし、適切なポジショニングで撮影して、診断や治療方針の決定に役立つわかりやすい画像を提供できる診療放射線技師を目指したいです。そのために、各撮影法の細かな設定や病気についての幅広い知識を身につけたり、クラスの仲間との会話を大切にしたりして、目指す技師像に 近づけるよう努力したいです。
MESSAGE
卒業生からのメッセージ
コミュニケーション能力が大切
―4年間で得られたものは何ですか?
コミュニケーション能力です。大学には様々な人達が集まり、授業で話す機会が多々ありました。私は積極的に会話するタイプではありませんでしたが、グループワークなどを通じて相手と意思疎通が図れるようになりました。
―その学びがどう活かされていますか?
医師や看護師など他職種の人と関わる時、相手のことを理解し、自分が何をしたいかを伝えることに活かされていると思います。それが、安全で円滑な医療に繋がっていると感じています。
―これからの夢や目標を教えてください
研究をすること、認定資格を取ることです。研究では、自分が興味のある分野を突き詰めていきたいです。また、資格取得に向け、日々の勉強もしっかりと継続していこうと思います。