保健学科

MESSAGE

学科長からのメッセージ

ようこそ!岡山大学医学部保健学科へ

学科長
廣畑 聡

廣畑 聡

 ホームページをご覧いただきありがとうございます。新型コロナウイルスによる感染拡大の中で、医療の重要性が広く認識されています。今の医療においてメディカルスタッフの貢献度は非常に大きいものがあります。現在の社会的情勢の中で、岡山大学保健学科での学びを継続できることを貴重に思いつつ、社会の要請にしっかり応えられる教育を提供していく必要があります。

 岡山大学医学部保健学科は1921年(大正10年)に設置された岡山医学専門学校附属医院看護婦養成科をその起源にもち、2021年(令和3年)には100年を超える歴史をもっています。本学科は医学科や歯学科とともに大学病院を中心とした医療系キャンパス(鹿田キャンパス)に位置し、看護学専攻・放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻の3つの専攻に分かれ、看護師、保健師、診療放射線技師、臨床検査技師の育成を行っています。医療技術のみではなく、豊かな人間性を備え、高度な医療・チーム医療・高齢社会の医療福祉・医療の情報化・デジタルトランスフォーメーションに対応でき、国際医療の場で活躍できる人材の育成を目指しています。


 岡山大学は地方国立総合大学として屈指の規模をもち、3専攻とも1年次は津島キャンパスで主に教養科目と一部の専門科目を学びつつ、サークル活動などを通じて他学部の学生やさまざまな人々と交流の輪を広げ、メディカルスタッフとして何をすべきか、チーム医療の実践のために身につけるべきことは何かを共に考え、豊かな人間性を育むことができます。

 また、臨地実習は同じキャンパス内にある岡山大学病院などで行われ多様な専門職や教員、学生との交流を通して、高度な専門知識と技術を学び深めるだけでなく、全人的医療やチーム医療を実践するための土台を築くことができます。隣接する岡山大学病院では、各種臓器の移植医療、X線透視下にカテーテル操作で治療を行うInterventional Radiology(IVR)、体外受精などの生殖医療、バイオバンクやがんゲノム医療など、国内最先端の医療が行われており、医療の最前線に直接触れることができます。

 さらに保健学科では、シーマハサラカム大学(タイ国)との交流やダラスバプティスト大学(アメリカ)への留学、あるいは1年次のチーム医療演習における海外協定校(台湾・韓国)での英語を用いたプレゼンテーション・世界最高水準の病院施設見学など、国際交流にも力を注いでおり、将来、世界に羽ばたいていくことのできる人材の育成を目指しています。胚培養士(体外受精などの生殖医療で精子・卵子・受精卵などを取り扱う職種)などの養成コースもあり、実践的な資格の取得も可能です。岡山大学での学生生活の間に、留学やボランティアなどを通じて、新たなことにチャレンジする精神を身につけてください。岡山大学はSDGs(Sustainable Development Goals)を推進しており、自己研鑽を継続して、活動の成果を社会へ還元することのできる課題解決能力を身につけたメディカルスタッフの養成を目指しています。

 健康の維持・増進、また病気をもった方を支える仕事に就きたい、国際的な医療活動に興味がある、と考えているみなさんに、入試関連情報、学科長と語る会、オープンキャンパスを通して、もっと岡山大学医学部保健学科のことを知っていただきたいと思っています。ぜひ、アクセスしてみてください。私たちは、夢に向かって学ぶ学生に未来への可能性や選択肢をどんどん広げてほしいと考えています。ともに歴史を作っていきましょう。

HISTORY

歴史と伝統

歴史と伝統

 明治3年4月、岡山藩は医学の進歩を図るため、岡山藩医学館を設置しました。そして岡山医科大学を経て、昭和24年岡山大学医学部となりました。

 また、岡山大学に既設の専修学校(医学部附属の看護学校、診療放射線技師学校、臨床検査技師学校)、および各種学校(医学部附属助産婦学校)を改組し、昭和61年10月岡山大学医療技術短期大学部(看護学科80人、診療放射線技術学科40人、衛生技術学科40人、助産婦特別専攻科(平成2年~))が設置されました。

 平成10年10月には、医療技術短期大学部の改組・転換により、医学部保健学科(看護学専攻80名、放射線技術科学専攻40名、検査技術科学専攻40名、計3専攻8講座)が設置されました。

 平成15年4月には、大学院保健学研究科(保健学専攻(修士課程):看護学分野14人、放射線技術科学分野6人、検査技術科学分野6人)、平成17年4月には、大学院保健学研究科博士前期課程(保健学専攻:看護学分野14人、放射線技術科学分野6人、検査技術科学分野6人) および博士後期課程(保健学専攻:看護学分野、放射線技術科学分野、検査技術科学分野、合計10人)が開設されました。

DEGREE POLICY

教育理念・目標

人間性に富む医療のための豊かな教養

自然や社会の多様な問題に対して関心を持ち,信頼される医療人として論理的思考力・判断力・創造力,および,人間性や倫理観に裏打ちされた豊かな教養を身につけている。


あらゆる人々の健康促進のための専門性

あらゆる人々の健康的な生活を実現するための専門的学識を身につけるとともに,科学の進歩を健康に関わる技術開発や問題解決に活用し,社会に貢献できる。


健康ニーズに応え,発信する情報力

住民や患者の健康ニーズに応えるために,自然や社会の情報を多角的に収集・分析すると共に,成果を地域や世界に向かって情報発信する能力を有している。


医療・保健に関するリーダーとしての行動力

医療チームの一員として必要なコミュニケーション能力,および,地域や世界に貢献できる国際感覚や言語力を有し,個人として,また,チームとして時代と社会をリードする行動力を身につけている。


健康的な生活を追い続ける自己実現力

患者や住民から信頼を寄せられるような豊かな感性と,文化やスポーツを享受する姿勢を持った医療人として,生涯に亘って学び,楽しみ,自己実現がはかれる。

CURRICULUM POLICY

教育課程編成・実施の方針

【教育課程の編成】
 医学部保健学科は,看護学,放射線技術科学,検査技術科学の3つの専攻があり,授業科目は大きく教養教育科目と専門教育科目に分かれています。科目は,医学部保健学科のディグリー・ポリシーに掲げる学士力を備え,世界の多様な課題に取り組むことのできる人材を育成するため,体系的に学べるよう提供しています。また,持続可能な社会の実現に貢献できる人材育成を意識した学修方法・学習成果の評価に取り組んでいます。

【教育学修内容】
 1年次には,外国語,リベラル・アーツなどの教養教育科目に加え,医療の基本となる各専攻に共通する知識や技術について学びます。また,これに加えてそれぞれ専門のイントロダクションを学びます。また,医療従事者として最も重要な「チーム医療」の理念と実際を体得するための演習も必修科目となっています。
 2年次からは,教養教育科目を学びながら,一方で「講義」や「演習」・「実験」などの専門教育科目をより多く履修し,各専攻の専門領域の基礎知識や技術を学びます。2年次からの「講義」「演習」・「実験」では,能動的学修が多く取り入れられ,課題探究型学習が増えていきます。
 3年次からは,より専門性の高い専門教育科目を履修するとともに,多くの専攻で,本格的に附属病院等で臨地実習が開始されます。なお,2・3年次のいずれかで,4学期制を活用して留学・インターンシップなど長期間の学外活動にチャレンジできる機会も設けられています。
 4年次には,実習と平行して,指導教員毎に研究室に配属され,ゼミナール形式で,研究の基礎を学ぶとともに,教員の指導の下に卒業論文を完成させます。さらに,開講される医療系学部共通科目においては,臨地実習とは視点の異なる医療の最前線や実際を学ぶ機会を提供し,専門性を高めます。4年生の後半には,それぞれの専攻が目指す国家資格(看護師,保健師,診療放射線技師,臨床検査技師等)の国家試験が行われ,基本的には全員が目指す職種の試験を受験することになります。大学教育としてのカリキュラムの成果は,国家試験の受験に十分に耐え得るものになっています。

【学修方法】
 教養教育科目においては,幅広い分野から能動的に選んだ授業を通し,学際的な基礎力を養います。専門教育科目では,主体的な学びとしてアクティブラーニングやグループワークを取り入れた学修方法を実施しています。

【学習成果の評価】
 講義・演習による学生の理解度は,筆記試験や実技試験・レポートによって評価します。実験および実習に関する評価は,レポート,態度などを総合的に評価しています。


「人間性に富む医療のための豊かな教養」を涵養するために

・自然や社会の多様な問題に対して関心を持つ態度を育成するために自然科学のみならず,豊富な社会科学・人文科学系の教養教育科目の中から多様な科目が受講できます。

・論理的思考力・判断力・創造力を身につけるため,リベラル・アーツを重視するとともに,情報処理科目も全員が履修できますし,受講が奨励されています。

・人間性や倫理観に裏打ちされた豊かな教養を身につけるために,Humanities(人文科学)を重んじるとともに,専門課程において,医療者として相応しい人間性や倫理観を養うことができるような実習を行っています。


「あらゆる人々の健康推進のための専門性 」を習得するために

・患者に限らず,あらゆる人々の健康的な生活を実現するための専門的学識を身につけるために,医学・保健学に共通する専門教育科目を,主として1・2年次に配当しています。

・科学の進歩を健康に関わる技術開発や問題解決に活用し,社会に貢献できるようになるために,各専攻の学問分野(看護学,放射線医学,臨床検査医学)の最新成果を学べる専門教育科目を3・4年次に配当するとともに,卒業研究を行う中で,自らがこうした技術開発につながるような専門分野をさらに深めることができるカリキュラムとなっています。


「健康ニーズに応え,発信する情報力」を培うために

・住民や患者の健康ニーズに応えるとともに,自然や社会の情報を多角的に収集・分析する能力を身につけるために,1年次に保健科学入門と情報処理科目が準備されています。また保健統計について学ぶ機会も設けられています。

・分析した成果を地域や世界に向かって情報発信する能力を培うために,その基礎となる外国語科目を学ぶとともに,IT技術,コンピューター・リテラシーが身につく教養教育科目が準備されています。


「医療・保健に関するリーダーとしての行動力」を身につけるために

・医療チームの一員として必要なコミュニケーション能力を身につけるために,ガイダンス科目「チーム医療演習」が1年次に配当されており,座学では得られないコミュニケーションの力を涵養します。

・世界に貢献できる国際感覚や言語力を身につけるために,ネイティブに学べる外国語科目を1・2年次に履修します。また地域住民とのコミュニケーションを図る能力を養える実習科目も,一部専攻では準備されています。

・個人として,また,チームとして時代と社会をリードする行動力を身につけるために,卒業研究に代表される多くの演習科目の中で,スモールグループのリーダーや各種役割を担う機会が設けられています。


「生涯にわたる健康的な生活を追い続ける自己実現力」を育成するために

・患者や住民から信頼を寄せられるような豊かな感性と文化やスポーツを享受する姿勢を持った医療人として,生涯に亘って学び,楽しみ,自己実現をはかるために,スポーツ実習が用意されています。

・参加型の実習により,学生が目指す専門職(看護職,臨床検査技師,診療放射線技師等)に身近に接することで,そうした専門職業人が享受している文化やスポーツの一端をロールモデルとして体感でき,自らの生き方の指針とできます。