保健学科

MESSAGE

専攻長からのメッセージ

なぜ「岡山大学」の検査技術科学専攻を目指しましたか?

検査技術科学専攻長
佐藤 康晴

検査技術科学専攻長 荒尾 雄二郎

検査技術科学専攻を卒業すると、多くの人は臨床検査技師として働きます。しかし、臨床検査技師の資格は岡山大学以外でも取得することが可能です。数ある臨床検査技師養成機関の中で、岡山大学を選んだ理由を考えてみてください。

「国立大学だから・・・」「立地的に・・・」「共通テストの点数や受験科目・・・」など、本来の目標とは異なる要素の意見も少なからずあると思います。しかし、岡山大学には岡山大学だからこその良さ、他大学にはない特徴がたくさんあると自負しています。

岡山大学では、将来的にサイエンスを実践し、リーダーシップのとれる人材育成を目指しています。そのため、学部・大学院ともに特色ある授業やプログラム、コースなどを用意しており、また日本トップレベルの医療環境が整備され、研究も活発に行われています。

岡山大学を選んだからには、その環境をしっかりと活用して、自分自身の付加価値を高めて下さい。それが出来るのは「岡山大学」です。実際に、在学中から各種認定資格を取得する人、海外留学する人、積極的に学会発表や論文発表をする人など、自分の目的に応じて様々なことにチャレンジする人がいます。すべて本人のやる気次第で道は大きく開けます。また、大学院では実際に病院で臨床業務に携わり超音波検査士の資格を取得する人や、最近では大学教員・研究者として活躍する人もたくさん増えています。

検査技術科学専攻に所属する教員は、全国的に見ても若い教員で構成されており、これも大きな特徴の一つだと言えます。さらに専任教員のうち4名は、岡山大学医学部保健学科検査技術科学専攻の出身であり、研究者として教育者として積極的に活動しています。この先輩たちの背中をみて、そして追いかけて皆さんも大きく成長し、将来の医療を担うサイエンティストに成長して欲しいと思います。我々教員は皆さんの夢を心から応援します。

最後に、このHPをしっかり見てください。あなたの追い求めるものがきっと見つかると思います。

LICENSE

取得できる資格

学士(保健学)

卒業により得られる学位です。

臨床検査技師

卒業により受験資格が得られます。

バイオインフォマティクス技術者

希望者は在学中に受験が可能です。

遺伝子分析科学認定士(初級)

規定の単位を修得したものは在学中に受験が可能です。

中級および上級バイオ技術者

規定の単位を修得したものは在学中に受験が可能です。

国家試験合格率(令和6年度)

臨床検査技師国家試験 100%

STUDY

本専攻で学ぶ内容

臨床化学・免疫検査学・遺伝子検査学領域
検査技術科学専攻_卒業生

 臨床化学・免疫検査学・遺伝子検査学は、疾患の診断や治療、病因・病態の解明を目的に、検体 (血液や尿など) を用いる学問領域です。

これら領域に関する検査の多くは、臨床現場では機械が主に測定や検出を行っていますが、機械にかけるまでの処理や測定値の妥当性、日々の精度管理は臨床検査技師の仕事です。医師の診断をサポートする重要な検査であるため、正確な検査結果を出すために、技師の知識や技術は今後も必要不可欠な領域になります。

【講義・実習】

 ・臨床化学検査学 (2年生)
 ・臨床化学検査学実習 (3年生)
 ・免疫検査学 (3年生)
 ・臨床免疫学 (3年生)
 ・基礎遺伝子学 (1年生)
 ・遺伝子検査学 (3年生) など

病理学領域
検査技術科学専攻_卒業生

病理学は、組織や細胞の形態を基に疾患の病因や治療方針を決める重要な学問領域です。最近は、遺伝子を解析する分生物学的な解析も加わり、領域を跨いだ知識が必要となってきています。

 この領域では、臨床検査技師は組織や細胞の標本作成を主に行います。一方、認定資格 (細胞検査士など) を取得した検査技師は、実際に標本を見て「がん細胞」の有無を調べる業務なども行い、医師の診断に貢献します。

【講義・実習】

 ・解剖学 (2年生)
 ・解剖学実習 (2年生)
 ・病理学 (3年生)
 ・病理学実習 (3年生)
 ・実践病理学 (4年生) など

生理検査学領域
検査技術科学専攻_卒業生

生理検査学は、生体の体内での機能やメカニズムの解明を追究する生理学に属する学問領域です。超音波検査や心電図など、侵襲のない検査を行う領域で、生体に関する高度な知識を要します。

この領域では、臨床検査技師はエコー検査や心電図はもちろん、肺機能検査や脳波、筋電図など幅広い検査で活躍します。実際には、全部の検査を行うわけではなく、いくつかの検査の組み合わせを担当することが多いです (例えばエコー検査と心電図など)。

【講義・実習】

 ・生理検査学入門 (1年生)
 ・生理検査学実習 (3年生) など

微生物学領域
検査技術科学専攻_卒業生

 微生物学は、細菌やウイルスを扱う領域で、それによって引き起こされる疾患を対象とする学問領域です。

この領域では、検査技師は検体からの細菌の培養や染色など、疾患発症の原因となる細菌やウイルスの検出に貢献しています。原因となる細菌やウイルスの種類によって、治療方針が異なるため、臨床現場では重要な領域の一つとなっています。

【講義・実習】

 ・臨床微生物学 (2年生)
 ・臨床微生物学実習 (2年生) など

血液検査学領域
検査技術科学専攻_卒業生

 血液検査学は、赤血球や白血球、血小板などの数や形を調べ、疾患の種類や治療方針、また生体の状態を把握する学問領域です。

この領域では、検査技師は血球の形態に異常がないか確認したり、高度な分析器を用いて疾患を鑑別するために必要な検査結果の取得に貢献しています。炎症や貧血などは、血液中の細胞数に早期に反映されるため、本領域は重要な役割を担っています。

【講義・実習】

 ・血液検査学 (2年生)
 ・血液検査学実習 (2年生)

LECTURE・PRACTICE

代表的な講義・実習

解剖学実習 (2年生第2学期に開講)
検査技術科学専攻_卒業生

本実習では、自らの目で見て、手で触り、本物の人の臓器の形や色、大きさ、重さなどを体験しながら人体の構造を学んでいきます。実物から得られる学びは、教科書などのイラストを見て学ぶことよりも遥かに大きく、他の講義や実習においても、内容の深い理解に繋がります。

本学検査技術科学専攻では、医学科の解剖実習の見学ではなく、実際に解剖実習を学生自らが行います。学生5名に対して1献体の貴重なご協力の下、良き医療人になるための実りの多い有意義な学びの場となっています。

輸血検査学実習(3年生第3学期に開講)
検査技術科学専攻_卒業生

本実習では学生同士で採血を行い、その血液を使用して血液型判定などの輸血検査を学びます。実際の採血は本実習が初めての機会であるため、シミュレーターを用いた練習を行ってから実践しています。
輸血検査は、適切な実施が必須である上、臨床現場に出てから当直業務などで関わる機会も多く、実習での学びが重要です。

生理検査学実習(3年生第3~4学期に開講)
検査技術科学専攻_卒業生

 本実習では学生同士で、心電図や脳波、肺機能、超音波検査などの生理検査を実習形式で行います。

生理検査は、血液検査や生化学検査など、いわゆる採取した検体を用いた検査とは異なり、直に患者さんと関わる検査になります。そのため、学生同士が検査技師役あるいは患者さん役となり、接遇から検査までの一連の流れを体験します。

 本実習は、生理検査の理解を深めるだけでなく、患者さんとのコミュニケーションスキルの必要性についても考えるきっかけにもなっています。

THESIS & DISSERTATION

過去の卒業研究

4年生になると、前/後半組に二分され、それぞれ約半年間ずつ病院実習と卒業研究を行います。半年間という短い期間ではありますが、研究活動の一端を経験することができ、この卒業研究を通して研究に興味をもち、大学院進学を決心する学生もいます。
 本専攻の卒業研究のタイトルを以下に列挙します。指導教員名をクリックすると、各教員・所属講座のHPを見ることができますので、研究テーマ等気になる方はぜひご覧ください。

2024年度

① 間質血管細胞群由来の細胞外小胞が軟骨様細胞に与える効果


② ベタメタゾン前処理間葉系幹細胞由来の細胞外小胞が細胞外器質に及ぼす影響

指導教員:廣畑聡

① 特発性多中心性キャッスルマン病 (iMCD) における炎症性サイトカイン関連遺伝子の全トランスクリプトーム解析


② 特発性多中心性キャッスルマン病 (iMCD) におけるCytokinesおよびGrowth Factorsの血清学的解析

指導教員:佐藤康晴

① マールブルグウイルスの転写に関わるRNA配列の解析


② ボルナウイルス (BoDV-1) における転写機構の解析

指導教員:横田憲治

① 薬剤性肺障害の診断および予後予測と呼気中一酸化窒素濃度の相関性の解析


② ケモカインCCL2抑制能を強化した間葉系幹細胞によるアレルギー性気道反応抑制効果の検討

指導教員:宮原信明

① ウェアラブル機器によって測定できる生体信号による睡眠時無呼吸 (SA) の検出


② 回復過程の指標の検討:健常者を対象としたパイロット研究

指導教員:森田瑞樹

① 高グルコース下における網膜色素上皮細胞のエクソソーム内包タンパク質と遺伝子発現量の相関性


② 多剤耐性がん細胞株における生薬の抗腫瘍効果


③ 口腔ウレアーゼ産生菌が肝線維化および肝性脳症に与える影響

指導教員:渡辺彰吾

① AIを用いて作成したPythonプログラムによる水平伝播された遺伝子の探索


② ボウフラの成長に必要な栄養素の検討

指導教員:石川哲也

① 全身性エリテマトーデス (SLE) におけるPARP1依存性プログラム細胞死-ヒトとマウスモデルにおける病的意義の検討


② 全身性エリテマトーデス (SLE) におけるPARP1依存性プログラム細胞死-パータナトスによる細胞機能への影響の検討

指導教員:勝山惠理

① 2施設におけるセファゾリンイノキュラムエフェクト陽性Staphylococcus aureusの検出


② Staphylococcus aureusのセファゾリンイノキュラムエフェクトにおけるクオラムセンシングの役割

指導教員:後藤和義

① 硝子血管型単中心性Castleman病に特徴的な組織像と遺伝子発現の関連

指導教員:西村碧フィリーズ
2023年度

① 非アルコール性脂肪肝炎におけるマクロファージの極性とオステオポンチンの関連

指導教員:廣畑聡

① 特発性多中心性キャッスルマン病 (iMCD) の亜型における遺伝子発現差異の検討


② 特発性多中心性キャッスルマン病における増生血管の病理学的検討


③ 遺伝子解析および細胞形態の保持に有用な細胞固定液と保存方法

指導教員:佐藤康晴

① 胃炎-胃癌患者の胃粘膜より分離された硝酸塩還元菌の性状


② 胃癌患者の胃内より分離した硝酸塩還元菌のピロリ菌共感染マウスへの影響


③ BoDV-1感染により変動するレトロトランスポゾンの機能解析

指導教員:横田憲治

① 特発性器質化肺炎におけるInterstitial Pneumonia with Autoimmune Features (IPAF) の頻度および臨床像の検討


② ケモカインCCL2抑制能を強化した間葉系幹細胞によるアレルギー性気道反応抑制効果の検討

指導教員:宮原信明

① 地域における臨床検査技師の新たな活躍の場

指導教員:森田瑞樹

① アトピー性皮膚炎におけるIL-13Rα2による治療可能性 (Evaluation of the Therapeutic Potential of IL-13Rα2 in Atopic Dermatitis)


② 血小板活性においてhDab2が相互作用し得るタンパク質の検証 (Verification of proteins with which hDab2 may interact in platelet activity)


③ NASH動物モデルにおける肝臓遊離コレステロール蓄積に関連する遺伝子変異解析

指導教員:渡辺彰吾

① SARS-CoV-2スパイクタンパク質とヒトACE2の結合の可視化に向けて

指導教員:石川哲也

① 全身性エリテマトーデス (SLE) におけるPARP1活性化の解析


② 全身性エリテマトーデス (SLE) におけるPARP1依存性プログラム細胞死の解析

指導教員:勝山惠理

① 組織球性壊死性リンパ節炎の臨床病理学的特徴~過去12年間の検討~


② 組織球性壊死性リンパ節炎と全身性エリテマトーデスの臨床病理学的特徴についての考察

指導教員:西村碧フィリーズ
2022年度

① マクロファージ分化過程におけるオステオポンチンとCCR2の発現変化


② 細胞外分泌小胞によるメタロプロテアーゼmRNA発現抑制効果の検討

指導教員:廣畑聡

① 形質細胞性骨髄腫におけるCD56発現の診断的有用性


② 血管内大細胞型B細胞リンパ腫の臨床病理学的解析

指導教員:佐藤康晴

① 胃癌患者の硝酸塩還元菌の同行について


② ピロリ菌感染モデルにおける細胞性免疫の低下と硝酸塩還元菌の影響

指導教員:横田憲治

① ケモカインCCL2抑制能を強化した間葉系幹細胞と通常の間葉系幹細胞による肺気腫進展抑制効果の比較検討


② 重症喘息患者における呼吸機能、2型バイオマーカー、増悪評価を中心とした前向き観察研究

指導教員:宮原信明

① 液状化細胞診 (LBC) 残余検体の常温乾燥保存方法の検討


② スマートウォッチによる睡眠中のSpO2測定精度の検証


③ 9軸加速度計による日常生活動作の識別


④ 大腸がん患者を対象とした期間統計による医療費推定の検証


⑤ LBC残余検体の長期保存方法の検討

指導教員:森田瑞樹

① SHRSP5ラットはNASHとLeaky gutを併発するモデルとなり得るか


② 高脂肪食誘導性Leaky gutはNLRP3 inflammasomeを介してNASHを増悪させる

指導教員:渡辺彰吾

① SARS-CoV-2スパイクタンパク質とヒトACE2の結合を解析するためのプラスミド構築


② 蚊の卵から成虫になるまでに必要な栄養素の特定

指導教員:石川哲也

① 全身性エリテマトーデス (SLE) におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD) の発現レベルとT細胞機能への影響


② 全身性エリテマトーデス (SLE) におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD) 依存性酵素の病的意義


③ 全身性エリテマトーデス (SLE) モデルマウスにおける、アダプター蛋白3BP2の発現解析


④ 全身性エリテマトーデス (SLE) モデルマウスにおける、アダプター蛋白3BP2の病的意義

指導教員:勝山惠理
2021年度

① 細胞外分泌小胞の軟骨細胞への取り込みの検討


② microRNAによる、ヒアルロン酸分解酵素CEMIPの発現抑制効果の検討

指導教員:廣畑聡

① 特発性多中心性キャッスルマン病におけるIgG4陽性細胞の検討


② 過去の細胞診標本を用いたIgH遺伝子再構成の検出~26年前の標本は解析可能か~


③ 遺伝子解析に有用な細胞固定液の検討~保存温度の検討~


④ メトトレキサート関連リンパ増殖異常症におけるNOTCH1発現解析

指導教員:佐藤康晴

① ピロリ菌と共培養された胃内硝酸塩還元菌のサイトカイン誘導能について


② ピロリ菌とスイス菌のPCR反応と免疫学的検討

指導教員:横田憲治

① ケモカインCCL2抑制能を強化した間葉系幹細胞による肺気腫進展抑制効果の検討


② 重症喘息患者における2型炎症バイオマーカー、症状スコア、呼吸機能および増悪の評価

指導教員:宮原信明

① 航空輸送中の放射線によるFFPE中のDNAの分解


② 多職種連携による周術期管理の評価


③ 長期保管血漿検体の品質評価法の検討


④ ベッド用生体センサによる心拍数・呼吸数の測定精度の検討

指導教員:森田瑞樹

① 鉄代謝はNASHと動脈硬化を結ぶ新たなリスク因子になり得るか-生理学的・生化学的検査からの検討-


② 鉄代謝はNASHと動脈硬化を結ぶ新たなリスク因子になり得るか-遺伝子解析、免疫染色、電子顕微鏡からの検討-

指導教員:渡辺彰吾

① ボウフラの成長のために必要な最小栄養素の検討


② ヒトスジシマカの卵の冷凍保存に関する検討

指導教員:石川哲也

FUTURE

卒業後の進路

進学・就職状況令和6年度実績
進学・就職状況
主な進学先令和2年〜令和6年度

岡山大学大学院保健学研究科
岡山大学大学院歯科薬学総合研究科
岡山大学大学院環境生命科学研究科
大阪大学大学院医学系研究科
京都大学大学院医学研究科
三重大学大学院医学系研究科
鳥取大学大学院医科学科
名古屋大学大学院創薬科学研究科

主な就職先令和2年〜令和6年度
【岡山県】
岡山旭東病院
岡山済生会病院
岡山西大寺病院
岡山赤十字病院
岡山市民病院
岡山ハートクリニック
心臓病センター榊原病院
川崎医科大学附属病院
倉敷中央病院
倉敷成人病センター
岡山淳風会健康管理センター
岡山博愛会病院
三宅医院
玉野医療センター
しげい病院
岡山ろうさい病院

【中国・四国】
愛媛県職員
愛媛大学医学部附属病院
広島市立病院機構
福山市医師会
福山市民病院
谷口ハートクリニック
香川県職員
中国中央病院
土谷総合病院
JA広島総合病院
公立みつぎ総合病院
広島共立病院
高松市職員
松山赤十字病院
徳島赤十字病院
広島市民病院
高知大学医学部附属病院
山口赤十字病院
島根県職員
鳥取県職員
徳島県鳴門病院

【近畿】
滋賀医科大学附属病院
加古川中央病院
奈良平成記念病院
松下記念病院
兵庫医科大学附属病院
神戸市民病院機構
神戸赤十字病院
大阪赤十字病院
京都第一日赤
大阪警察病院
兵庫県職員
三重大学医学部附属病院
大阪大学医学部附属病院
奈良県立医科大学附属病院
福知山市民病院
神戸市民機構
姫路赤十字病院
兵庫県立病院
武田病院グループ

【関東】
帝人株式会社
戸田中央医科グループ
LSIメディエンス
上板橋病院
順天堂大学医学部附属順天堂病院

【中部】
富山大学附属病院
福井県済生会病院
浅田レディースクリニック

【九州】
福岡輝栄会病院
北九州市立病院機構
産業医科大学若松病院
北部医師会病院

MESSAGE

卒業生からのメッセージ

命を支える検査データと向き合う姿勢―大学から現場へ
検査技術科学専攻_卒業生
2020年 愛媛県立松山南高等学校卒業
2024年 岡山大学医学部卒業
2025年 大阪赤十字病院勤務

大学4年間で学んだこと
岡山大学での4年間は、臨床検査技師としての基礎を築くとともに、医療に携わる者としての姿勢を深く学ぶ日々でした。先生方の親身で熱心な講義から、検査データの一つひとつが患者さんの命を支える大切な情報であることを実感し、正確さと責任感をもって業務にあたることの重要性を学びました。実習では、本専攻でしか学べないような貴重な経験をさせていただくとともに、基礎から応用までしっかり学ぶことができました。

大学で学んだことがどう職場で生かされているか
授業や実習で身につけた検査技術やデータの読み取り方はもちろんですが、最も役立っているのは“なぜこの結果が出たのか”と考える姿勢です。先生方の指導のもと、結果の背景にある病態や患者さんの状態を深く理解する力を培うことができました。その学びが、現場で異常値を見つけたときに迅速かつ的確な判断を下すことにつながっています。また、グループワークや実習を通して培ったチームワークの大切さも、現在の職場で強く生かされています。

これからの目標
今は生化学・免疫部門を中心に担当させていただいており、多くの検査結果を扱うとともに、迅速で正確な手技が必要とされる重要な部門です。日々のルーチン業務での手技向上と正確性を磨いていくことはもちろんですが、検査項目や異常値への理解をより深めていき、患者さの変化に気づける臨床検査技師になりたいと思っています。

未来へ繋がる学びと経験
検査技術科学専攻_卒業生
2016年 鳥取県立鳥取西高等学校 卒業
2021年 岡山大学 卒業
2021年 岡山赤十字病院検査部 勤務

4年間で成長したこと
紐付けて考えることが出来る思考力です。一つの事柄だけでなく、それに付随した事柄も関連付けることによって理解が深まり、多様な分野を連動させて考えることによって、効率良く知識を広げることが出来ました。実際に業務を行っていても、様々な検査結果から総合的に判断する必要があるため、4年間で得た経験が活かされています。

臨床検査技師として重要なこと
検査の背景には必ず患者さんがいるという意識です。手技の習得にばかり目を向けそうになりますが、自分自身が行った検査によって患者さんの治療が決定するという責任感を常に持って業務に取り組んでいます。

これからの目標
日常業務の技術向上を目指すだけでなく、当直業務を行う際に必要となる緊急臨床検査士の資格や、専門的な知識を高めていくための認定資格等の取得を目指したいと考えています。

現場に出て分かるレベルの高い講義・実習
検査技術科学専攻_卒業生
2015年 兵庫県立姫路東高等学校 卒業
2019年 岡山大学医学部保健学科 卒業
2019年 姫路市医師会 勤務

4年間で学んだこと
本専攻で学ぶ内容は、病理学・臨床化学・生理学など多岐にわたりますが、臨床に出ることを見据えた内容が盛り込まれた、非常に興味・関心を引かれる講義・実習がそれぞれで実施されます。さらに、自然と『興味・関心』を持って知識を得られるだけでなく、さまざまな事案を紐づけて理解できるよう工夫もしていただいていました。その結果、記憶定着が良いだけでなく、臨床に出てからも役立つ深い知識を得ることができました。

学んだことが職場に出てどう活かされたか
『興味・関心』を持ち得てきた深い知識があるため、得られた検査結果が“なぜそのような結果になったのか”を自然と考えるようになりました。その結果、検査機器の出した結果を鵜呑みにしていては気付けなかった事案を見抜くことができるなど、臨床現場で非常に活かされています。

これからの目標
『興味・関心』を持ち、これからも学ぶ姿勢を疎かにせず、検査業務に臨みたいと思っています。その延長で、ルーチン検査業務の力量を上げることだけに留まらず、精度管理や検査システムについての理解を今後深め、広い視野を持って検査室全体を把握できる検査技師になりたいと考えています。

臨床で活きる専門的な学びと経験
検査技術科学専攻_卒業生
2016年 岡山県立倉敷青陵高等学校 卒業
2020年 岡山大学医学部保健学科 卒業
2022年 岡山大学大学院保健学研究科 修了
2022年 姫路赤十字病院検査技術部 勤務

大学で得られたこと
大学4年間では臨床検査に必要な幅広い知識と,それらを紐付けて考える思考力が身につきました。実際の業務でも1つの検査結果に囚われず,様々な検査結果を総合して判断することが必要であり,4年間で学んだことが活かされています。

大学院で得られたこと
大学院2年間では研究の他に,学会のシンポジストや英語論文の執筆,臨床診断のカンファレンスへの参加,資格取得など多くのことを経験することができました。特に私は遺伝子検査に関する研究や勉強を行っていましたが,病院で働く現在でもその経験と資格を活かした仕事を任されることがあり,責任感とともにやりがいを感じています。

これからの目標
患者さん第一で日当直や日常業務を行えるよう,手技向上や資格取得に努めたいです。特に遺伝子検査の分野では日進月歩で研究が進んでおり,業務に活かせるよう知識を常にアップデートしながら患者さんの助けになる臨床検査技師を目指しています。

臨床を見据えた豊富な学びが確かな力となる
検査技術科学専攻_卒業生
2019年 岡山県立岡山城東高等学校 卒業
2023年 岡山大学 卒業
2023年 医療法人社団同友会 春日クリニック勤務

4年間で得られたもの
大学4年間では、充実した講義・実習により臨床検査で必要な幅広い専門知識を得ることができました。特に解剖学実習では、自分の手を動かして解剖することにより、人体構造への理解が格段に深まりました。どの検査分野においても人体構造を理解しておくことは必須であり、実践的な解剖を経験できたことは検査技師として大きな強みです。

学んだことがどう活かされているか
私が主に行なっている超音波検査では、臓器の形や位置関係を立体でイメージできる力が重要です。そのイメージには、解剖学実習で実際に見たものや触った記憶が大いに役立っており、教科書の知識だけでは難しかったと感じます。また、在学中に他分野の知識を紐づけて考える思考力を身に付けたことにより、超音波所見も多角的に鑑別することができています。

これからの夢や目標
まずは超音波検査士の資格取得を目標としています。さらに心電図検定等にも積極的に挑戦して技術向上に努めるとともに、1人でも多くの人を助けられる臨床検査技師になりたいと考えています。

REAL LIFE

学生のリアルライフ

1年生のリアルライフ

検査技術科学専攻の先輩

どのようなことを学んでいますか
医用工学、微生物学、病態学など医療に関する専門的知識を学んでいます。一年次では座学を中心に基礎的な知識を学び、二年次以降の発展的な授業に備えています。一般教育科目では英語や体育、他学部の先生方による授業などを幅広く学んでいます。2025年度から始まった「知の探研」では、高校までの探求活動をもとに、他学部生と交流しながら、各テーマに沿って主体的に学びを深めています。

空き時間の過ごし方や課外活動について教えてください
実家から電車と自転車を使って通学しています。空きコマがある時には家に帰る時間がないので、図書館で課題や復習、テスト勉強を進めて時間を有効活用しています。お昼は友人と学食を利用したり、時間がある時は近くのお店に食べに行ったりしています。また、大学の近くでアルバイトをすることで、効率的に時間を使うことができています。登山のサークルに参加しており、先輩や同学年と楽しく活動しています。

ある1日の過ごし方

2年生のリアルライフ

検査技術科学専攻の先輩

どのようなことを学んでいますか
血液検査学、病理学、生理検査学など、病気や人体に関する専門的知識を学んでいます。授業は座学に加えて実習があり、特に2年次の解剖学実習は本専攻ならではの貴重な経験です。ご献体を用いた実習を通して、教科書だけでは決して得られない深い学びを得ることができます。韓国の留学生も参加し、簡単な韓国語や英語を用いて一緒に実習を行ったこともあります。また、1年次のチーム医療演習では、国内班か海外班を選択することができます (※)。私は海外班を選び、夏休みに韓国の大学を訪問しました。他専攻の学生と協力してプレゼン資料を作成したり、現地で授業を受けたりする中で、職種や言語の異なる人々と円滑にコミュニケーションをとる力を身につけることができました。卒業後は、病院への就職だけではなく、大学院に進学して企業や研究者を目指す学生もいます。将来の選択肢の幅が広いことも本専攻の特徴です。勉強に熱心な学生も多く、お互いに高め合える環境が整っています。
※2025年度から多職種連携教育とチーム医療海外演習に変更となりました。

空き時間の過ごし方や課外活動について教えてください
実家から電車と自転車を使って通学しています。ほとんどの授業が対面形式です。部活動は津島キャンパスの吹奏楽団に所属しています。鹿田キャンパスからは自転車で約30分かかりますが、普段あまり関わる機会のない他学部の友達がたくさんでき、とても楽しい日々を送っています。部活動がない日はアルバイトをしたり、友達とご飯に行ったりしています。岡山大学は両キャンパスともに立地が良いため、空きコマにカフェなどに行くこともできます。また、2年次の夏休みには岡山大学の夏季語学研修に参加し、約1ヶ月間イギリスの大学で授業を受けました。他国の学生と交流しながら英語や異文化に触れる経験は自分の視野を広げ、将来何を目指したいか考える良いきっかけになりました。大学生は自由な時間が多いため、資格勉強、アルバイト、旅行、部活動、留学など自分がやりたいことに挑戦して、充実した学生生活を送ることができます。

ある1日の過ごし方

2年生のリアルライフ

検査技術科学専攻の先輩

どのようなことを学んでいますか
病気の診断や治療に必要な検査結果を取得する臨床検査技師を目指して、日々勉強に励んでいます。検査には心電図や超音波といった患者さんの身体を調べる生体検査と、血液や尿、細胞といった患者さんの検体を調べる検体検査があるため、幅広い分野の知識を4年かけて学びます。
本専攻では検査するために必要な知識だけでなく、立派な医療人になるための教養を学ぶ機会も豊富にあります。その代表例がチーム医療演習で、専攻を越えた学部学科がチームとなって一つのテーマに関する研究を行ったりします (※)。また、他大学の同専攻では体験することが難しい解剖学実習もあり、自分たちで実際に手を動かして解剖ができることも特徴的です。 ※2025年度から多職種連携教育に変更されました。

空き時間の過ごし方や課外活動について教えてください
空き時間には友人たちとゲームをしたり、講義で疑問に感じたことを話し合ったりしています。また、アルバイトを入れたり、課題をしたりして空き時間でも有意義な時間になるようにしています。部活動は週に3回、無理のない範囲で行っており、良い運動になっています。空き時間は自由時間なので何をしても良い時間です。その時間をどう使うかも自分次第なのでそのことを意識して過ごすと、より良い大学生活を送ることができると思っています。

ある1日の過ごし方

3年生のリアルライフ

検査技術科学専攻の先輩

どのようなことを学んでいますか
本専攻では、臨床検査技師として医療に貢献するための高度な専門知識と技術を学びます。特に3年次では、4年次の病院実習・卒業研究に向け、病理学や生理検査学などの幅広い分野を学び、培った知識を応用しながら実習を行います。実習では、実際に自ら検査を行うことで、座学だけでは習得できない判断力や対応力を養います。なかでも生理検査学実習では、心電図検査や超音波検査などを実施し、学生同士で意見を交わしながら実習を進めることで理解を深め、臨床現場で生かせる実践力を身につけます。

空き時間の過ごし方や課外活動について教えてください
高学年になり学習に割く時間が増えましたが、メリハリをつけて学生生活を送っています。空き時間には図書館で友達と一緒に勉強したり、課題について相談し合ったりします。一方で、大学近くのカフェでリフレッシュしたり、楽しむ時間も大切にしています。放課後は週2日、部活動に参加し、学部や学年の垣根を越えて多くの仲間と出会うことができました。アルバイトも無理のない範囲で楽しく行っています。忙しい日もありますが、日々の楽しみを見つけながら自分らしい学生生活を送っています。

ある1日の過ごし方

4年生のリアルライフ

検査技術科学専攻の先輩

どのようなことを学んでいますか
4年生では病院実習があり、病理検査室や生理検査室など、計8つの検査室を約3ヶ月かけて見学します。実際の臨床現場での対応や手技を間近で見ることで、これまでの3年間で学んできた内容をより深く理解することができます。また、教科書だけでは学べない、臨床現場ならではの緊張感や接遇の大切さも身をもって学ぶことができます。
さらに、卒業研究も始まり、先生や大学院の先輩方に手技を教わりながら、日々楽しく研究に取り組んでいます。

空き時間の過ごし方や課外活動について教えてください
病院実習後は、その日の復習や翌日の予習に取り組んでいました。大学院への進学を希望しているため、実習のない日はラボに行き、細胞培養などの手技を教わっています。
休日はアルバイトをしたり、研究室の仲間と一緒に国家試験の勉強をしたりしながら、有意義な時間を過ごしています。

ある1日の過ごし方

4年生のリアルライフ

検査技術科学専攻の先輩

どのようなことを学んでいますか
4年生になると、授業はほとんどなくなり、病院実習と卒業研究が中心になります。病院実習では岡山大学病院の生理検査室、病理検査室、血液検査室など、すべての検査室を順にまわり、実際の業務を見学します。卒業研究では、先生や大学院生の先輩方から基本的な手技を教わりながら、自分の研究テーマを決めて取り組んでいます。実践的な学びが多く、充実した毎日を過ごしています。

空き時間の過ごし方や課外活動について教えてください
病院実習が終わった後は、レポート課題に取り組んだり、翌日の実習に向けて予習をしたりして過ごしていました。実習がない日はアルバイトや就活に時間を充てていました。夏休みには模試があったため、国試の勉強と就活を中心に取り組みました。卒業研究で実験途中に空き時間ができた時は、同じ研究室の仲間と一緒に勉強しながら情報交換をしたり、互いに励まし合ったりして、充実した時間を過ごしています。

ある1日の過ごし方