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放射線技術科学分野

氏名
中村 隆夫
職位
教授
所属
放射線技術科学分野 医用情報理工学領域
専門分野
医用生体工学

生体電気インピーダンス法を用いた生体情報計測

研究の概要

 生体電気インピーダンス法(市販の体脂肪計の測定原理)を中心に各種生体情報の計測と解析を通じて、健常者のみならず高齢者・障害者に優しい生体計測技術の発展を目指している。

研究題目とその内容 (Research subjects)

(1) 生体電気インピーダンスを用いた身体運動および情動活動の解析に関する研究 (Analysis of biodynamics and electro-dermal activity using bioelectrical impedance):

生体各部のインピーダンスを用いた、加齢や障害に伴う運動機能(例えば、嚥下機能)の評価およびリハビリテーションへの臨床応用、スポーツ動作の分析(例えば、野球の投球動作の判別)に関する研究、および皮膚電気活動(EDA)による情動計測や睡眠制御の他、体肢の血流計測や脳血流測定の試みも行っている。

(2) インピーダンス計測法および電気物性に関する研究 (Impedance measuring device and Bioelectrical property):

LCRメータによる体肢インピーダンスの周波数特性の測定時間(数十秒)を大幅に短縮した時間分解能 1 msの測定システムを開発している。またインピーダンスパラメータによる皮膚バリア機能評価への応用(下の図を参照)についても研究を行っている。

(3) 医療福祉機器の開発および改良に関する研究 (Development of medical instruments):

心電計の開発、痙縮の評価のためのペンドラムテスト、足踏み測定・訓練器や体肢容積計など高齢者・障害者のための新しい医療福祉機器の開発および計測法や評価法についても検討を行っている。

保健学科以外との共同研究機関(研究テーマ)

川崎医療福祉大学医療技術学部(ペンドラムテスト)、岡山理科大学工学部(ペンドラムテスト)、
アルケア株式会社(皮膚バリア機能評価)


氏名
佐々木 智章
職位
教授
所属
放射線技術科学分野 医用情報理工学領域
専門分野
放射線診断,MRI画像診断

放射線画像解析と人工知能作成に向けて

研究の概要

CTやMRIを用いた画像定量評価とその有用性を研究している。特に脳・頭頚部腫瘍におけるMRI拡散強調像による予後予測は臨床的意義を強く意識している。また低電圧CTの有用性についてはX線の基本的な性質を応用しており、放射線医学の基礎を常に重要視している。

今後はこれまで培った画像評価を応用することに加えて、大量の画像データを解析していくこと積極的に取り入れて、新たな解析方法や人工知能の開発にも注力していく。


氏名
後藤 佐知子
職位
准教授
所属
放射線技術科学分野 医用情報理工学領域
専門分野
医用ディジタル画像工学

心臓MRI

研究の概要

氏名
丸山 敏則
職位
准教授
所属
放射線技術科学分野 医用情報理工学領域
専門分野
放射線写真学

教材開発

研究の概要

  1. ① PCを用いた学習支援教材の開発に関する研究
  2. ② 医用画像の画質評価,画質改善に関する研究
汎用PCとCTデータを利用したポジショニング技術習得のための教材開発

氏名
楠原 俊昌
職位
助教
所属
放射線技術科学分野 医用情報理工学領域
専門分野
医用生体工学

ペンドラムテストによる痙縮の定量評価法の構築

■背景

痙縮は筋の保護機能のひとつである伸張反射が過度に亢進する現象であるが、その評価方法は近年に至っても医師の主観に依存したものが主流である。そこで本研究では下肢(大腿四頭筋)の痙縮に対し、病状を定量的に評価することを目的としてペンドラムテストおよび生体モデルに基づくシミュレータを用いた新しい評価法(図1)の構築に取り組んでいる。
なお、本研究は岡山大学、岡山理科大学、川崎医療福祉大学が共同で研究を行っている。

■方法

図2のように被験者に加速度計2個を装着し、下腿をθ=50degとなるよう持ち上げた後、自由落下させる。このとき生じる下腿の振り子(ペンドラム)運動の様子を加速度計により検出する。振り子運動の中心となる膝関節の角加速度ωは加速度計出力α1、α2およびその装着位置L1、L2を用いて、

となる。一方、我々は大腿四頭筋の反射弓モデルを用いたペンドラムテストモデル(図3)を構築しており、角加速度をシミュレーションにより再現することができる。モデル内の上位中枢からの信号を司る各パラメータは再現波形と実測波形が一致するよう定める。

■結果・考察

健常者では下腿は振り子運動を行い10秒程度で減衰・停止する。痙縮患者では大腿四頭筋の伸張速度に依存する伸張反射により振り子運度が妨げられて不自然な減衰波形となる(図4)。
また、ペンドラムテストモデルは実測波形をよく再現しており、モデル内の各パラメータは障害発生部位の指摘や重篤度の定量化に有用といえる。

■課題

痙縮による伸張反射は主に下腿の自由落下開始直後に生じる。下腿の保持解除の際に生じる振動や大腿部の微動による振動といった初期外乱は正確な評価を妨げることから、現在この対策に取り組んでいる。


氏名
花元 克巳
職位
助教
所属
放射線技術科学分野 医用情報理工学領域
専門分野
量子ビーム物理学,材料科学

焦電性結晶による小型放射線源の開発

研究の概要

 焦電性結晶は温度変化を与えると高電圧を発生し,これを利用すると,小型の放射線源を作製することが可能となる。これまでの研究により,高エネルギー電子,X線,高エネルギーイオン,中性子の発生が可能であることがわかっている。我々は,様々な放射線が発生可能な焦電性結晶による小型放射線源を作製し,医療などに応用することを目的としている。

①焦電性結晶による可搬型X線撮影装置の開発

 焦電性結晶による小型X線源の撮影装置への応用を考え,X線エネルギーと強度を制御するための方法を研究している。焦電性結晶により発生するX線は,雰囲気の気圧により変化するので,広い気圧範囲に対して発生X線のエネルギーと強度を調べた。その結果,発生X線のエネルギーと強度(カウント)は,下図に示すような気圧依存性があることを明らかにした(Appl. Radiat. Isot. 135 (2018) 40)。

気圧のほかに発生X線のエネルギーと強度に関係する因子として,温度差,温度変化率,結晶表面ーターゲット間距離などがあるが,これらの因子については,現在,実験と解析を行っている。

②焦電性結晶によるBNCT用中性子源の開発

新しいがんの治療法として,ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)が注目されている。BNCTはがん細胞にホウ素(10B)を集積させ,中性子(n)の照射により細胞内で10B (n, α)7Li反応を起こし,がん細胞を破壊する方法である。BNCTは正常組織に影響を与えることがほとんどなく,低エネルギーイオンビームをがん細胞内部のみで作り出し,これを破壊するという細胞レベルの治療が可能となる。このように,がんの放射線療法のなかでは,BNCTは非常に理想的ながんの治療方法といえる。現在,加速器を使った中性子源が研究されているが,装置が大型になるので,広く普及させるために,小型中性子源の開発が求められている。そのため,我々は,焦電性結晶によるBNCT用小型中性子源の開発を行っている。これまでの我々の実験結果から,焦電性結晶による発生電圧は10万ボルト程度であることがわかっているので,中性子の発生方法として,低エネルギーの核反応を利用することが考えられる。この候補として,重水素(D)同士を加速・衝突させるD-D反応や重水素と三重水素(T)を加速・衝突させるD-T反応がある。現在,これらの反応により,どの程度の中性子束が得られるかを計算により見積もっている。

氏名
竹田 芳弘
職位
教授
所属
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域
専門分野
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域

放射性同位元素による核医学診断に関する研究

研究の概要

 様々な放射性同位元素による核医学診断において、その有用性について基礎的, 臨床的に評価を行っている。
 現在までに行ってきた研究の一部を以下に記載する。

 

1. 核医学による抗癌剤の多剤耐性 ( MDL: Multidrug resistance )の評価に関する研究

内容: 多剤耐性細胞へのTc-99m-MIBI の取り込み・洗い出しを評価し,抗癌剤の多剤耐性機構を解明する。

2. 腫瘍シンチグラフィ(scintigraphy)による腫瘍のviabilityの評価に関する研究

内容: Tc-99m-MIBI を用いて,頭頚部腫瘍等の集積性を定量的に求め,放射線治療および化学療法における治療効果や再発の有無を評価する。

3. 局所脳血流量に関する研究

内容: てんかん,起立性低血圧症などにおける局所脳血流量を Tc-99m-HM-PAO, Tc-99m-ECD などを用いて非侵襲的に定量し画像化する。

4. 甲状腺腫瘍の核医学的良悪性鑑別に関する研究

内容: Tc-99m pertechnetate , Tl-201 chloride を用いて甲状腺腫瘍への取り込みと洗い出しを定量的に評価して,その良悪性を非侵襲的に診断する。

5. 99mTc-GSA肝アシアロシンチグラフィのSPECTにおける散乱線補正に関する研究

内容: SPECT画像の減弱補正法である「CT減弱補正法」や散乱線補正法の「TEW法」を用いて, ファントムによる模擬腫瘍の描出能について検討し, 散乱線補正の有用性を評価する。

6. 心筋血流シンチグラフィにおける画像評価に関する研究

内容: 99mTc製剤による心筋血流シンチグラフィにおいて, 解析ソフトの違いによる左室駆出率の評価やプロジェクションデータの異なる再構成画像の評価を行うために, 心筋ファントムを用いて画像データを収集し, 放射能濃度, 心筋壁運動, 収集時間, 収集方向などの項目についてその影響の検討を行う。

7. センチネルリンパ節シンチグラフィにおける注入部位とセンチネルリンパ節の分離に関する研究

内容: センチネルリンパ節シンチグラフィにおいて, 近接した低集積のセンチネルリンパ節の同定, 分離についてファントム実験を行いその描出能についての評価を行う。

氏名
黒田 昌宏
職位
教授
所属
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域
専門分野
放射線治療学,放射線生物学,放射線安全管理学

新しいMR撮像技術 および 放射線治療技術の開発

研究の概要

テーマ① 悪性腫瘍における MR画像変化のメカニスムの解明
– 分子生物学的手法を用いた新しいMR撮像技術の開発 –

 臨床に使われるMR画像が,悪性腫瘍の治療後の組織や細胞内のどのようなナノ~マイクロレベルの変化を画像化できるのか,そのメカニスムを,分子生物学的手法を用いて実験的に追求する基礎・臨床融合研究です。新しいMR撮像技術を開発しており、臨床研究をとおして、臨床応用を目指します。

テーマ② 乳がんの放射線治療における標準的放射線治療技術改善の研究

 岡山大学病院において放射線治療を行った患者さまの放射線治療技術の課題を解決し,今後の臨床を改善させる実践的な研究で、成果は世界に向けて情報発信しています。

さらに詳しく⇒ http://www.ok-radiology.jp/department/archive_r_html

氏名
山岡 聖典
職位
教授
所属
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域
専門分野
放射線健康科学,健康長寿科学

低線量放射線の健康影響と医療応用 Ⅰ

研究の概要

 特に低線量放射線による抗酸化機能などの生体防御機能の活性化と多くが活性酸素に由来する生活習慣病の予防・治療への応用について,世界レベルの研究を推進している。ラドン療法の効果検証や機構解明もその一つで,例えば以下の成果を明らかにしつつある。また,他の適量環境ストレスの再現による健康長寿の実現も志向している。

成果例

結論

 ラドン吸入などの微量酸化ストレスによる適度な生理的刺激作用に伴い,抗酸化機能・免疫調節機能・損傷修復機能の亢進,抗炎症作用・循環代謝・ホルモン分泌の促進,アポトーシス・HSP発現の誘導を生じることなど,多くの疾患抑制の効果と機構を概ね明らかにしつつある。

主な受賞

 2016年 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞
 2005年 日本過酸化脂質・フリーラジカル学会 学会賞 他

ホームページ

さらに詳しく⇒ http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~kataokat/

氏名
木田 勝博
職位
准教授
所属
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域
専門分野
磁気共鳴画像(MRI)

一般的なシーケンスを用いた心筋全体のT1 mappingの開発

研究の概要

 循環器領域におけるMRIを用いた非侵襲画像診断法は著しく進歩している.シネMRIは,心臓の形態と機能が,心エコーよりも高い再現性を持って評価可能である.また,心筋の遅延造影MRIは心筋壊死や繊維化などの組織性状の診断に優れている.しかし,遅延造影MRIはびまん性の心筋繊維化を検出できないという弱点を持つ.近年,心筋繊維化の程度を定量的に評価可能なT1 mapping法(MOLLI法)が開発され,心筋疾患の有無と重症度が客観的に評価可能となっている(図1).T1 mappingとは,心筋組織のT1値をピクセルごとに定量評価しマップ表示したものである.MR装置の静磁場内では,組織は固有のT1値(単位ms)を持っている.心筋浮腫や心筋繊維化,アミロイド沈着はT1値が長くなり,心筋への脂肪沈着(心Fabry病)や鉄沈着はT1値が短縮する.T1 mappingは,これらのようなT1値の変化を早期に発見し,早期治療に結びつく有用な検査方法として期待されている.
 しかしながら,MOLLI法は特殊な撮像法であるため限られた施設でしか行えない.また,1度の息どめで1スライスしかT1 mappingが行えないという制限があり,得られた結果は実際のT1値より短くなることが指摘されている.そこで我々は,どの装置でも撮像可能な一般的なシーケンス(IRT1TFE法)を用いて,3回の息どめで複数スライス(6~9スライス)のT1 mappingを行う手法の開発を行っている(図2, 3).本法はMOLLI法より測定精度が高く,広範囲撮像も可能なことから,臨床的有用性が期待されている.さらなる測定精度の向上を目指して,息どめによる画像の位置ずれの補正を目的に,AIによる非剛体画像レジストレーションの研究を行っている.今後は心筋全体のT1 mappingを目指す予定である(図4).

氏名
片岡  隆浩
職位
助教
所属
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域
専門分野
ラドン,酸化ストレス,抗酸化機能

低線量放射線の健康影響と医療応用 Ⅱ

研究の概要

 マウスへの低線量放射線照射により生体防御機能などが活性化し,種々の酸化ストレス症状が軽減することを報告してきた。他方,ラドン吸入でも同様の効果のあることを明らかにしつつある。すなわち,ラドン吸入によりマウス諸臓器中の抗酸化機能が亢進し,酸化ストレスに関連する疾患に効果のあることを示唆してきた。

(成果例②,③は日本原子力研究開発機構との共同研究の成果)

研究成果例

まとめ

 ラドン吸入による少量酸化ストレスはマウス諸臓器中の抗酸化機能を亢進し,酸化ストレスにより誘発される疾患を抑制することが示唆できた。

主な受賞

 2012年 日本放射線影響学会 奨励賞
 2019年 放射線影響協会 放射線影響研究奨励賞
     他 7 件

ホームページ

さらに詳しく⇒ http://www.cc.okayama-u.ac.jp/~kataokat/

氏名
松浦 龍太郎
職位
助教
所属
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域
専門分野
放射線技術学

診療用画像に関する研究・臨床実習教材の作成

研究の概要

① X線CT装置で撮影された画像に関する研究

 本研究では,既存あるいは自身で作成したファントムと呼ばれる撮影体をX線CT装置で撮影し,再構成される画像について,どのくらい小さいものが画像の中に描出されているのかを物理的な評価指標(MTF: Modulation Transfer Function)によって解析する。それに加えて,画像に混入するノイズがどのような性質をもっているのかを解析する。
 また,CT画像に対して画像処理を行い,ノイズの変化を定量的に評価する。近年,逐次近似再構成法といった統計学的解析手法による画像再構成方法が導入され,少ないX線量で今までと同様な画像を作り出すことが可能となっている。この手法による画像の変化について,既存の物理的評価方法も含め,研究している。
 さらに,2種類の管電圧を使用するデュアルエネルギー撮影に注目し,撮影された物質の成分分析や分析の精度について研究を行っている。この技術を活用すれば,特定の物質のみ画像上で分離・抽出できるのではないかと考えている。

② MRI(Magnetic Resonance Imaging)に関する研究

 現在のMRIは撮影の方法によって多種多様な画像を取得することが可能となっている。MRIは撮影時間が長く,患者が動くと画像が不鮮明になってしまう。下の画像はボランティアの頭部MRI画像であり,頭部の動きに対して補正を行う撮影法で撮影したものである。

③ 診療放射線技師養成のための臨床実習教材の作成

 放射線技術科学専攻の学生が臨床実習にスムーズに導入できるように実習の際に学習する要点をまとめた紙媒体の資料や映像資料の作成を行っている。現在注目しているのは,全天球カメラを使用した臨床実習現場の撮影です。このカメラで撮影することにより,VR(Virtual Reality)つまり「仮想現実」を体感することができ,臨床実習前に検査室などの雰囲気を体験することが可能となる。

氏名
福井 亮平
職位
助教
所属
放射線技術科学分野 放射線健康支援科学領域
専門分野
X線画像解析、トモシンセシス、人工知能

X線画像解析と人工知能の応用

研究の概要

 単純X線撮影(いわゆるレントゲン撮影)は、3次元構造を2次元へ投影するため奥行き方向の情報を失っている。トモシンセシスは単純X線撮影装置でCTのような画像を得ることができる、比較的新しい撮影技術である。したがって、研究対象として未開拓な部分が多くあるため、特に画質評価について研究を行っている。また、現在は人工知能の第3次ブームと言われており、様々な場面で“AI”という単語を目にするようになった。人工知能の研究はX線画像領域にも影響を与え始めており、人工知能をテーマにした研究にも取り組んでいる。以下より、主な研究内容を取り上げる。

トモシンセシスにおける画質評価

 トモシンセシスはFig.1のように画像の深さ方向を連続的に観察することが可能である。しかし、データ収集や画像取得の過程が、単純X線撮影とは大きく異なるため、画質評価について定まった手法がない。例えば、細い金属ワイヤを用いることで、トモシンセシス画像の解像特性(どのくらい細かい物まで観察できるか)を表現することが可能である。また、極小の金属ビーズを用いることで、画像取得に関わる画像処理が深さ方向にどの程度影響したか可視化することが可能となる。

人工知能(深層学習)を用いた研究

 人工知能の発展は深層学習というアイデアに支えられている。深層学習の登場で人工知能の精度は大いに前進した。現在の人工知能は、与えられた単一のタスクを人間よりうまく処理することに特化している。例えば、Fig.3に示すように画像の分解能を上げることが可能で、X線画像の画質改善に役立つ可能性がある。また、敵対的生成ネットワークと呼ばれる深層学習モデルを用いると、まったく異なる画像間で画像の持つ特徴を受け渡すことができる。これを利用すると、PET画像とCT画像を深層学習により学習することで、PET画像からCT画像を生成することができるようになった(Fig.4)。この技術によりCTの撮影をキャンセルしてPET/CT検査を終えることができるため、患者さんの被ばくは大幅に減少する可能性がある。

氏名
笈田 将皇
職位
准教授
所属
放射線技術科学専攻(大学院ヘルスシステム統合科学研究科)
専門分野
放射線治療技術学,放射線計測学,放射線生物物理学

放射線治療の最適化に関する研究

研究の概要

当研究室では,放射線治療・放射線計測・放射線物理・放射線生物に関連した統合的な研究を行っています。臨床病院や医療系企業に勤めてからも知識や技術を生かせるよう,基礎研究(種々の線量計作成,放射線照射,計算シミュレーションなどを含む基礎実験と解析)から臨床現場での応用研究(基礎研究の臨床応用だけでなく,新しく導入された臨床現場の放射線診断,放射線治療機器をフルに活用していく上で,未解決の課題を探求するような研究)に至るまで広い視野を持つことを目標とします。


臨床現場での研究紹介

津山中央病院と連携し,最先端の放射線治療とされるスポットスキャニングビームを利用した陽子線治療に関する臨床研究を行っています.最先端技術では正しい答えが見つかっていない場合も多く,現在陽子線ビームの照射精度やシミュレート計算の精度などに関する研究課題に取り組んでいます.

研究施設(外部機関)での研究紹介

京都大学複合原子力科学研究所との共同研究にて,次世代の放射線治療とされる中性子線を利用したホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に関する基礎研究を行っています.主に,中性子線の線量評価システムの開発や腫瘍細胞への生物効果に関する研究課題に取り組んでいます.