検査技術科学専攻

検査技術科学専攻のイメージ
検査技術科学専攻のイメージ

生命と健康をまもる、検査技術科学専攻

臨床検査技師とは―

 医学検査は病気の予防・発見・診断・治療に欠かせないものです。医学検査には人体から採取した血液、尿、組織を分析する検体検査と、心電図、呼吸機能、脳波、超音波などの生理学検査があります。そのような医学検査を専門に行うのが臨床検査技師です。


卒業により得られる学位 学士(保健学)
卒業により得られる国家資格受験資格 臨床検査技師
国家試験合格率(平成28年度) 臨床検査技師国家試験/94.7%

検査技術科学専攻長 岡 久雄

検査技術科学専攻長
岡 久雄

臨床検査医学のプロフェッショナルを目指して―

 現代の臨床医学のすべての分野において、臨床検査はなくてはならぬもの、診療の根幹です。臨床検査技師は医療現場でその検査を担当し、疾病の診断、病態の把握、治療や予後の判定に役立つ情報を提供します。また病院検査室以外でも、健康診断や人間ドックなどの予防医学をはじめとして、人々のいのちと健康を守るさまざまな分野で活躍しています。
わたしたちは、臨床検査医学のプロフェッショナルとしての臨床検査技師を育成するだけでなく、より専門性を備えたスペシャリストの養成、新しい検査技術の研究・開発など課題解決能力を有する研究者の養成、さらにグローバルな視点を持って医学の発展に貢献できる人材の育成を目指しています。


科学の成果を医療に活かす

多岐にわたる専門知識と技術
臨床検査技師の業務は非常に広範囲に及ぶため、検査技術科学専攻では多くの臨床検査に関する専門知識と技術に加えて、それらの理解と応用に必要な生化学、解剖学、生理学、分子生物学、病理学、免疫学、医用工学などの基礎知識を学びます。
生命科学や情報技術の進歩はめざましく、医学検査にはその進歩がすぐ導入されるため、自分から知識や情報を得て技術を磨かなければ医療現場のニーズに応えられません。学生時代からも積極的に学ぶ姿勢、高い勉学意欲をもつことが大切です。
これからの保健・医療・福祉の現場では、一人の患者さんとその家族に種々の医療福祉関係者が関わるチーム医療が重要で、職種間の連携におけるコミュニケーション能力も必要です。そこで、1年次にはチーム医療演習として看護学専攻、放射線技術科学専攻の学生と少人数グループで保健・医療・福祉に関する問題を取り上げ、知識と情報を集めて討議します。同じグループで心肺蘇生法や体位変換・移動法も学びます。2年次には医学科や歯学部の学生と同様に献体を使った解剖学実習を行います。これは、岡山大学でしかできない実習です。また、4年次には岡山大学病院で医学科の学生、研修医、薬剤師等と一緒に、実際の症例について討議する授業に参加します。これらの授業を通して、広い視野と柔軟な発想をもち、自ら課題を発見し解決する能力、情報を発信する能力を養います。
新しい検査技術の開発や研究をめざす
検査技術科学専攻を修了して国家試験に合格すれば臨床検査技師の国家資格が得られます。さらに、一定の実務経験を積めば細胞検査士、超音波検査士などの学会認定資格も取得できます。健康食品管理士認定試験、ME技術実力検定試験などは在学中に受験できます。また、平成25年度より、農学部と共同で「生殖補助医療技術キャリア養成特別コース」を立ち上げました。
臨床検査技師の職場は病院、検査センターが主ですが、本学では新しい検査技術や機器の開発など、新たな領域を開拓する人材や大学の教員になる人材の育成も目指しています。そのため、大学院保健学研究科では、新しい検査法の開発につながる研究も行っています。
微生物学実習(細菌培養)

微生物学実習(細菌培養)

臨床化学検査学実習(試薬の調製)

臨床化学検査学実習(試薬の調製)

病院実習(病理組織標本の作製)

病院実習(病理組織標本の作製)

病院実習(心電図検査)

病院実習(心電図検査)


医学部保健学科 検査技術科学専攻の理念

臨床検査は、科学の進歩がもっとも迅速に反映される医療分野です。研究者の叡知と努力によってもたらされた科学の成果を医療に生かすには、幅広い基礎知識と応用能力、たゆみない探究心と医療人にふさわしい人間性が必要です。

本専攻では、基礎となる自然科学や医学の基礎知識、これらの応用である臨床検査の専門知識と技術を学びます。さらに選択専門科目と卒業研究を通して、科学の成果を新しい検査技術の開発や問題解決に活用できる応用能力と科学性を養い、創造性に富んだスペシャリストの育成を目指します。


医学部保健学科 検査技術科学専攻 専門科目

全専攻共通科目
生命科学 栄養・代謝学 形態・機能学Ⅰ 形態・機能学Ⅱ
形態・機能学演習 感染免疫学 基礎遺伝子学
基礎病態学 臨床薬理学
人間科学 保健科学入門 ヘルスプロモーション入門 教育学入門
発達心理学 臨床心理学
情報科学 情報数理科学Ⅰ 情報数理科学Ⅱ 医用物理学
医用工学入門 保健統計学
保健福祉科学 国際保健システム論 国際環境・衛生論 地域保健環境論
保健行政論 社会福祉論

医療系学部共通科目
医療系学部
共通科目
チーム医療論 救命救急医療 カウンセリング
医療経済学 災害危機管理論 ボランティア実践

専攻の専門科目
病態検査学 病理学 病理学実習 細胞診検査学
実践病理学 病理形態学演習 血液検査学I
血液検査学II 血液検査学実習 臨床免疫学
免疫検査学 免疫検査学実習 輸血検査学
臨床化学検査学 検査自動化論 臨床化学検査学実習
高感度計測技術 検査管理学 一般検査学
一般検査学実習 臨床医学総論 臨床病理学
臨床病理学演習 医療情報管理学 動態解析学
機能解析学 生理検査学I 生理検査学II 生理検査学実習
画像解剖学 画像解剖学実習 検査機器総論
医用電子工学 医用電子工学実習 医動物学
医動物学実習 臨床微生物学 臨床微生物学実習
感染予防学 生物化学 生物化学実習
遺伝子検査学 検査素材学 健康食品学
臨地実習 病院実習  科学研究  卒業研究
その他 Exploratory Practice I  Exploratory Practice II  Exploratory Practice III
3年次編入学者のみ対象 検査技術科学研究法

>> 各専門科目のシラバスをご覧になりたい方はこちらへ 別ウィンドウで開きます。


医学部保健学科 検査技術科学専攻 入学定員

40名 (5名 ※)
※ ( )内の数は、3年次編入学定員で外数


ユニークな講義・代表的な講義の紹介

■血液検査学・血液検査学実習

柴倉 美砂子 准教授

柴倉准教授の実習1柴倉准教授
柴倉准教授の実習2実習風景
 血液検査学・血液検査学実習では、体内を流れている血液の状態や、その血液を産生する骨髄の状態を検査するために必要な知識と技術を学びます。例えば、赤血球の数や赤血球の赤い色素の素であるヘモグロビンが減少すると、貧血と呼ばれる状態になり、全身の組織で酸素欠乏状態が生じます。また、脂の多い食事を続けることによって血液中の脂質が上昇すると血液の粘度が増し、血液が血管を流れる時に血管壁と血液の間に摩擦が生じます。その結果、本来であれば出血時に血液を固める役割をする血小板が、その摩擦によって体の中で活性化し、血液が固まり易くなり血栓ができてしまいます。このような血液の変化も、貧血で倒れてから、あるいは血管に血液の塊・血栓ができて心筋梗塞や脳梗塞を発症してから初めてわかるのではなく、血液の検査をすることで事前にその危険性を知り、貧血や血栓による病気で倒れないように予防・対策を考えることができます。
多くの人の血液検査の数値は基準範囲内に収まります。異常値を示すデータを見落とさないことはもちろん重要ですが、赤血球も白血球も血小板も血液凝固因子もすべて基準範囲に収まっていても、その人の継時的データ変動にも注意を払ってその変化を見のがさず、適切なアドバイスができる検査技師になれるよう、専門教科での基礎学力をしっかりつけることが重要です。

(2014年1月31日公開)


■臨床微生物学・感染免疫学

横田 憲治 教授

横田憲治准教授の実習 実習風景

 おもに微生物と免疫関係の講義を担当しています。臨床微生物学では、ヒトに病気を起こす細菌の特徴について紹介します。また代表的な病原菌の分離培養法、染色像などについても紹介します。感染免疫学では、細胞の仕組みについて、また免疫細胞とその特徴について概略を解説します。そして、免疫検査学ではヒトの血液の液体成分(血清)の中にある抗体の特徴、機能について解説し、病気の診断にどのように利用されているか、原理と方法を紹介します。また実際に、血清のタンパク質について実習で観察します。

(2014年7月22日更新)


■細胞検査学・病理検査学実習

佐藤 妃映 助教

実習の画像
図 腎臓のマッソン・トリクローム染色
青色:膠原繊維・基底膜、赤色:細胞質、黒色:細胞核
膠原繊維を青色に染めることで、間質の線維化や基底膜の異常を把握できます。糖尿病性腎症等の診断に有用です。また、糸球体への免疫複合沈着物が赤色に染まり、糸球体腎炎の診断に重要です。

 「形態学」は、患者様から採取した細胞・組織を顕微鏡で観て診断する学問です。「形態学」では、積み重ねてきた知識と経験をもとに、細胞所見を読み異常があるのかどうか判定していきます。
「形態学」には、個々の細胞から診断する「細胞検査学」と、組織構築を重視して診断する「病理検査学」があります。「細胞検査学」は、特に癌の早期発見を目的とした検査であり、婦人科や呼吸器、泌尿器等様々な領域における正常細胞や悪性細胞の特徴について学びます。「病理検査学」では、病気に関する知識とその組織像について学んでいきます。
実習では、標本作製や診断に必要な様々な染色法を行ない、スケッチをして、病態について考えていきます。「細胞検査学」と「病理検査学」から、総合的に形態学を捉え、細胞の表情から病態を理解する力を習得していきます。

(2014年1月22日更新)